待機児童問題や保育事故の問題で活動している市民グループが24日、「保育園!!! 私たち声をあげます!2017」と題して国会内で集会を開いた。民進党から山尾志桜里、阿部知子、郡和子、柚木道義の4衆院議員が参加し、今年(も)子どもを入園させることができなかったママの怒りの声、保育を巡る現状と課題についての保育士の話などを聞いた。
「37カ所の保育園に申し込んだが、すべて落ちた。かろうじて保育ママが行っているベビールームに引っかかって、今の仕事を見つけて働いている」と切り出した2歳児と参加した母親は、「今の仕事もベビールームの開室時間との兼ね合いで辞めなければならない。このまま保育園に入れなければ、サヨナラ。私の自立」と深刻な事情を吐露した。
大阪市役所から基準を満たしていると紹介された認可外保育園に子どもを預け、その初日に保育事故死に見舞われた母親は「待機児童を解消するのに保育園をただ増やせばいいだけではなく、ただ保育士がいればいいだけではない」「死なない保育園を。規制緩和で増やすのではなく、むしろ基準を上げて保育園を増やしてほしい」と訴えた。
私立の認可保育園に勤めて30年になるという保育士さんからは「今でも施設は狭く人手が足りない。それなのに国は規制緩和をして子どもを詰め込もうとしている。これでは子どもの安心・安全を守るために保育士のストレスが増える」「経験7年以上の保育士だけに月給4万円上乗せするという国の新たな仕組みは、保育士の中に格差を生む制度でしかない」「保育士を育てるには、最低賃金を底上げし毎年確実に昇給させる。それが安定して働き続けられることにつながる。保育を実践する中で必要な研修を受け、保育力がつく」等と語った。
「皆さんの声から解決に向けた課題を見い出した」と表明した山尾志桜里議員は、「(国が始める一部の保育士への月給4万円の上乗せは)同じ職場で一緒に頑張っている保育士さんの中に格差を生むものではないのか」「ベテランになるまで働き続けられないことをどうするのか」「人手が足りな過ぎて研修が受けられない状況をどうするのか」等と問題意識を共有した。最後に「私たちもまだまだ力不足だが、絶対皆さんの手を離さない。一緒に次の子どもたち、次の次の子どもたちのために、保育の状況を少しでも良くするために頑張っていきたい」と力を込めた。