田名部匡代副代表は17日、電機連合地協男女平等担当者会議に出席し、国民民主党の国会活動について、講演を行った。
田名部副代表は、日頃からの支援に感謝を伝えた上で、「所属する農林水産委員会では、規制改革推進会議の一部の有識者の提案が、そのまま法律となって出てくることが続いている。農業競争力強化、種子法廃止、漁業法改正、すべてそうだ。自民党の議員ですら、こんな法律を通したらだめだとか、野党が頑張れとか、委員会を止めろと言ってくる。誰も総理に歯向かえない。おかしいと思っていても声も上げられない。これが今の政府・与党の姿だ。改革の名の下に規制を取っ払って、いかにうまみのある所に民間を参入させるかという視点で議論が進んでいるが、農業や漁業には歴史があり、そこで生きている人たちが、粘り強く漁村や農村を守ってきた。そういう人たちの視点に立って、現場の声を届けていかなければならないと強く感じた国会だった」と総括。「今の法案は、働き方もカジノも外国人の受け入れも、立派な箱だけ見せられて、中身はスカスカだ。後からどんなものが決まっていくかわからない。だからこそ、どこに問題があって、どこに歯止めをかけなければいけないのか、政省令でどこに注意して、何をやらせなければいけないのか、これを付帯決議で取っていくしかない。カジノ法案では、矢田わか子内閣委筆頭理事が、前日まで立憲民主党も含めて付帯決議の準備をし、与党と粘り強く交渉していたにもかかわらず、当日、他の野党は付帯決議には乗らないということになった。わかりにくいのは、付帯決議を通すということは、法案には反対だが、採決には応じなければならない。矢田さんの信念は、なんとしてもギャンブル依存で苦しむ人たちを救わなければならないという強い思い一つだった。付帯決議を残すことは、私は後世に対する責任だと思っている。ただ反対というのはわかりやすく、マスコミも取り上げやすい。しかし、なぜ反対したのかという理由は残らない。付帯決議はすべての問題が含まれた公文書として残るため、これをもとに後日、見直すことができる」として、同じ野党から批判を受けて悔しく、情けない思いもしたが、野党としてできることを最大限やりきる、それが国民民主党だと力強く訴えた。
そして「政治は誰がやっても同じ、どうせ変わらない、という声をよく聞く。そう思わせているのは政治の責任であり、私たちがしっかりしなければならない。でも、必ず誰かが当選する。無関心でいても、選挙は出ている人の中から誰かを選ぶか、この人ならという人を擁立するか、自分が出るかしかない。一つの法案が通ることで、生活が左右される人たちがいる。そのことに思いを致し、多くの人に政治に参加してほしい。介護も子育ても、圧倒的に女性が背負っている役割は大きい。男女の賃金格差もある、女性の働く環境も改善しなければならない。そういう皆さんの声を代弁する女性議員を増やしていかなければならない」として、「井戸端会議の中に重要な問題が隠されてるように、決して特別じゃない、みんなが集まってこうだよね、ああだよね、と言っていることを、誰かがその思いを背負って、よし、じゃあ私が代弁者として届けてくるよ、という人が出てくれたらありがたいと思っている」と締めくくった。