民進党は26日、党所属国会議員と地方組織幹部などを集めて両院議員総会・全国幹事会・自治体議員団等役員合同会議を国会内で開き、今後の党改革に関する基本的な考え方などについて意見交換し、党綱領など基本政策の再検討、党のガバナンスの改善、できる限り早期に「新しい党」として生まれ変わることなど5項目の「確認事項」を了承した。
大塚耕平代表は冒頭のあいさつで「年の瀬の大変お忙しい中をこうして全国から全国幹事会、青年委員会、女性議員ネットワーク、自治体議員団会議の皆さん、そして衆参国会議員の皆さんにお集まりいただいたことに心から御礼申し上げる。先の総選挙以来前例のない局面を迎えているわが党にとって大変重要な議論をこの間重ねさせていただいた。この間の皆さんのご協力に感謝申し上げるとともに、年が改まったら気持ちも新たに党勢拡大に向けて前進できるよう、これまでの議論を集約して一定の方向感をご確認いただきたい」と呼びかけた。
会議の前半は両院議員総会として議事を行い、すでに地方組織の了承を得ている立憲民主党、希望の党との3党統一会派交渉について、統一会派として目指す理念・政策などの基本方針案を提示。「立憲主義を踏みにじり、国民から負託された国会議論をも軽視する安倍政権に徹底的に対峙(たいじ)し、強引な国会運営とは全面的に対決することが不可欠だ」「『生活者』『納税者』『消費者』『働く者』の立場に立ち、多様性を認め合う共生社会を目指す」「積極的に政策議論を進め、安倍政権では置き去りにされてきた地方分権や国民生活に光をあてる議員立法の成立をめざす」「現憲法の平和理念を尊重し、一昨年の安保法制の意見部分を削り、『専守防衛に徹し、近くは現実的に、遠くは抑制的に、人道支援は積極的に』との原則に基づき、国の安全を確たるものにする議論を進める」などとする執行部提案を賛成多数で了承した。
会議の後半は党所属国会議員と地方組織幹部、自治体議員団等役員の合同会議として議事を進め、党の戦略・組織・運営に関する「基本的考え方」について大塚代表がスピーチを行った。
この中で大塚代表は、まず「国民生活の向上が何よりも重要な目標であるという党の原点を再確認し、本気で党のガバナンスを改善・強化するとともに、できる限り早期に新しい党として『生まれ変わる』ことを目指すべきだと考える」と述べ、次の5項目を確認事項として提案した。
- 党の原点は国民生活の向上
基本政策検討本部の「検討会」の活動を開始し、綱領等の内容について再検討する(1月20日を目途に党本部に答申)。検討会の共同座長は青年委員会委員長、女性議員ネットワーク代表幹事が務める。 - ガバナンスを改善し、信頼される党へ
「中間報告に基づいて、幹事長のもとで所要の規約改正等を検討する。地方組織、党本部等のあり方を、組織委員長、財務局長、総務局長のもとで見直す。所属議員の党内議論や党運営に臨む姿勢に関する行動規範について、組織委員長、倫理委員長のもとで検討する(所要の規約改正は2月4日の党大会で行う)。 - 改革し、新しい党へ
国民生活の向上が何よりも重要な目標であるという党の原点を再確認し、できる限り早期に新しい党として「生まれ変わる」ことを目指す。 - 党財政の再建
党財政再選のため諸経費等の支出を見直す。地方組織等への交付金等の詳細は党大会で決定する。その間の経常資金等は適宜交付する。 - 選挙における友党との連携
民進党の地方組織(総支部、都道府県連)と友好・連携関係にある友党等の議員・候補者を支援できる枠組みを作る。
党改革のこれらの基本的考え方については、国会議員や地方幹部など18人から質問や意見表明などがあり、これに対する大塚代表や増子輝彦幹事長の答弁を経て、最終的に確認事項として参加者全員の拍手で了承された。
党の戦略・組織・運営に関する「基本的考え方」について(スピーチ)
党の戦略・組織・運営に関する「基本的考え方」について(別紙1)
党の戦略・組織・運営に関する「基本的考え方」について(別紙2)