【北海道】女性のための政治セミナー「生きる!輝く!繋ぐ! 女性の視点で社会を変えよう」を開催

 23日午後、党北海道連主催の女性のための政治セミナー「生きる!輝く!繋ぐ!女性の視点で社会を変えよう」が札幌市で行われ、130人あまりが参加した。

 セミナーではまず、北海道連男女平等参画委員長の徳永エリ参院議員が、政治分野における男女共同参画を推進する法案(クオータ制度推進法案)の国会での経緯を説明し、「男女平等参画の制度を作っても、実態はどうなっているのか。社会では、女性だけでなく色々な差別がはびこっている。民進党は、理解しあい、支え合う社会の実現のためにがんばっていきたい」とあいさつした。

亀石弁護士

亀石弁護士

 続いて「誰もが生きやすい社会をめざして~社会のトラブルを踏まえて~」と題して亀石倫子弁護士が基調講演を行った。北海道で高校生まで過ごし、その後、会社員、結婚を経て大阪へ移り、女性でも一生やりがいをもってできる仕事をしたいという思いから弁護士になるまでの自身の経歴に触れ、 刑事弁護人として関わった中から、特に女性が加害者になってしまった事件について取り上げた。 家族・親族間の殺人は全体の55%(警察庁・2016年)を占め、動機 の3分の1は介護疲れや経済的困窮など「将来を悲観」してとなっている。「子どもやお年寄り、病人の面倒は女がみるもの」「保育や福祉は、家族がするもの」という意識が根底にあることを指摘。犯罪の背景にある依存症として、女性が多いとされるクレプトマニア(窃盗症)を取り上げ、アメリカには依存症に特化した裁判があること、治療と教育で依存症から回復させるという視点が必要と語った。最後に「これまで関わってきた犯罪は、社会を映す鏡のようだと感じている。実際に刑事弁護人になって、被疑者になった人の話を聞くたびに、社会の片隅の光の当たらない部分を見る。どうやったら、社会が彼女たちを救えたのかと考える。誰もが生きやすい社会を目指すために、社会から見過ごされてきた人たちのことを考えなければならない」と語った。

 会場との意見交換では、介護や育児において国の役割が縮小されてきていること、制度があっても、そこへつながることのできない孤独をどう防いでいくか、貧困の連鎖を防ぐために、子ども達に同じ質の教育を提供すべきといった意見が出された。

北海道連女性議員等連絡会議研修会を開催

 24日午前には、党北海道連女性議員等連絡会議が札幌市内で総会と全道研修会を開催し、道内の女性議員26人が参加した。

講演する上田文雄前札幌市長

講演する上田文雄前札幌市長

 総会後に開いた研修会では、上田文雄前札幌市長が、「偏見や差別のない社会の実現を目指して―自治体の役割を考える―」と題し講演。市長時代に推進してきたLGBTの活動を紹介したうえで、13人に1人が性的マイノリティの人々で、生きづらさを感じながら生活していると指摘した。札幌市は、互いの個性や多様性を認め合い、誰もが生きがいと誇りを持つことができるまちの実現を目指すため、今年6月1日から、政令指定市で初めて性的少数者(LGBT)カップルの関係を公的に認める「市パートナーシップ宣誓制度」を開始したことに触れ、今後、各自治体で性の多様性を認め合うまちづくりに取り組んでほしいと促した。

党北海道連女性議員等連絡会議全道研修会

党北海道連女性議員等連絡会議全道研修会