蓮舫代表は18日、愛媛県松山市で開かれた、「女性の発言力と行動力で暮らしや社会をより良くするための懇談会」に出席した。懇談会には、市民団体「女性のチカラで未来をひらく愛媛」実行委員会の遠藤泰弘松山大学教授、西嶋吉光弁護士の呼びかけで、女性の起業支援などを行うNPO法人代表、介護事業経営者、医師、認定子ども園経営者が参加した。富永喜代・愛媛県第1区総支部長も参加し、池田美恵松山市議が司会を務めた。
蓮舫代表はあいさつで、「先ほど今治市で街頭演説を行ったが、その今治市に女性の市議が1人もいないということは衝撃だった。しかし考えてみれば、愛媛県には女性の県議は1人しかいない。さらに国会議員は1人もいない。女性の議員が1人もいないということはもったいないと思う」と語った。さらに蓮舫代表は、「女性の声を代弁する男性もいるが、やはり(女性の立場から)直接的にその思いを咀嚼(そしゃく)して訴え、実行できる女性議員はこれから先は不可欠だ。財政や人口減少という現実にぶち当たったときに、取捨選択、優先順位を判断する決断が政治で求められる時に、声が少ないからということだけで切り捨てられてしまうようなことがあれば、こんな残念なことはない」と話し、そうした部分についても率直な意見を聞かせて欲しいと求めた。
蓮舫代表はまた、「今回愛媛1区では富永さんという力強い仲間をいただいた。これからもともに頑張っていく」と紹介した。
懇談会では参加者から、「子どもの育つ場所はとても大事だが、そこになかなかお金も人も足りていない。ぜひ行政や政治の力を注いで欲しい」「子どもの幸せや笑顔のためには、やはり保育士が笑顔で働けなくてはならない。そうした視点から、現在保育士の処遇改善に力を入れている」「東京以外では介護士の応募が少ない状況になっている」「介護事業をしているが、必要経費の多くが人件費であり、介護報酬を下げられても給料を下げるわけにはいかない。現状を維持することで手一杯である」「政府は介護離職ゼロと言っているが、介護サービスが充実しない中で離職ゼロはあり得ない。言っていることとすることが矛盾している」「自分が結婚、出産でアイデンティティクライシスに陥った経験を踏まえ、共感力や受援力を高めて後輩たちを支える活動ができればいい」「女性だからということで、選択の幅が狭められないような社会づくりを政治や組織に求めたい」など、これまでの経験や、現在取り組んでいること、感じる疑問や課題など、自由に意見が出された。
富永総支部長は、「保守という言葉について考えてみた。保守とは、強い人が自らの権力を行使しやすくしたところに、強くない人たちが自分を納得させるときに使った言葉だと思う。その権力を保持するために支えてきたのが女性だ。本当に困ったときに親や夫のお尻を拭いていたのは誰なのか。キャリアを捨てて子どもを守ったのは誰なのか。それは妻であり母親だ」と述べた。
富永総支部長は、「私も子どもたちのためにキャリアを捨てた。そんな悔しい思いをしている人たちが日本に何人いるでしょうか。19歳の女の子が就職して2日目に辞めた。家に余裕がなく、19歳で祖父と母親2人の介護をしなくてはならないからという。どれだけ女性が負担を強いられているのか」と話し、「自分らしい生き方を選ぶことができて、それに納得して生きていけるような社会ができたら、それが女性が活躍できる社会ではないか」と訴えた。
これらの意見を聞いて蓮舫代表は、「なぜ女性だけが諦めるのか。この視点を変えないとこの国はなくなる。今日発言があったことについては政治でしか解決できない。また自民党は憲法を変えて、家庭のことに国が口を出せる法案を作ろうとしている。このままでは個人の意思がなくなってくる」と述べた上で、「ぜひこれを跳ね返すために民進党にやらせてほしい。数も少ないし支持率も低いが、まだ跳ね返す力を持っていると思う。しっかりと頑張っていく」と話した。